THE FAMOUS RECORDING

70's・80'sの名盤・名曲をじっくりとお送りする
「本物の洋楽番組」にどうぞお付き合いください。

every sat. 19:00~20:00 ON AIR
【担当NA】 yadge
【番組メール】

第14回 SOUND TRACK『SATURDAY NIGHT FEVER』

2018 年 01 月 06 日

●SOUND TRACK:『SATURDAY NIGHT FEVER』(1977年)

※番組中で誤って「ギヴ3兄弟」と言うべきところを
「ボブ3兄弟」と話している箇所がございました。

この場をお借りして訂正し、お詫び申し上げます。



昨年末、英国政府よりエリザベス女王が授与する新年の叙勲者名簿発表において
ザ・ビートルズのリンゴ・スターと共に
BEE GEES:バリー・ギブへの「ナイト爵位」の授与が発表されました。

バリー・ギブは2002年にも「BEE GEES」として兄弟の故モーリスと故ロビンと共に
大英帝国第三級勲位(CBE・コマンダー)を授与されています。
今回の「ナイト爵位」の授与について
「自分と同じくらいに2人に与えられた栄誉だ。魔法と輝きと興奮は一生ものだ」
というコメントを発表しています。

彼、及び「BEE GEES」が残した音楽的功績が
いかに現代においても偉大であるかを物語る出来事ですね。

昨年は『SATURDAY NIGHT FEVER』の40周年記念盤もリリースされるなど、
再びこのサウンドトラック盤とBEE GEESへの評価が高まっています。

元来ROCK好きなわたくしyadgeは、
このサントラ盤が出た1977年以降に大ブームとなった
一連の「ディスコ・ミュージック」を当初は毛嫌いしていました。
もちろんこのサントラ盤で存在を知ったBEE GEESのことも
「だだのディスコ・ヒット・グループ」としか見ておらず、長らく敬遠していました。

ところがある時、
彼らのベスト盤で初期のヒット曲を初めて耳にした時(全然ディスコ音楽ではない)
美しいハーモニーと素晴らしいソングライティング力を持つグループであることを知り、
完全に見方が変わったのです。

それを踏まえてその後にこのサントラ盤を聴くと、
不思議なことに今度は素直に受け入れられたのです。

80年代以降~グループ活動晩年期はヒット・チャートとは縁遠い音楽活動でしたが、
ポピュラー音楽史に深くその名を刻んだ
大ベスト・セラー作品である『SATURDAY NIGHT FEVER』の偉大さは、
これから更にその偉大さを増すことと思います。

番組でも紹介した同時代のヒット・アルバムである
イーグルス『ホテル・カリフォルニア』、フリートウッド・マック『噂』
などと並び称される名盤の1枚であることに間違いありません♪

ただ、わたしは「ディスコ」(あるいはクラブ)が大の苦手なので、
このサントラ楽曲で踊ったことは1度もありませんが。。。(笑)



●THE FAMOUS ARTIST:MICHAEL STIPE(R.E.M.)

「ライヴを見れなかったことを悔やむバンド」の
1~2位を争う大好きなバンドです。

いくつかのライヴ映像商品で見るマイケル・スタイプは、
独特な身体の動きによるステージ・パフォーマンスで
聴衆を強力に引き込んでいくカリスマ性溢れるヴォーカリストでした。

U2やRADIOHEADと同様に決して「明るい曲が多いバンド」ではないのですが、
80年代後期~90年代にかけてのこのバンドはアメリカ本国において、
絶大なる支持を集めていました。

あのNIRVANAのカート・コベインが亡くなった後に発表されたアルバム
『モンスター』(1994年)で、生前に親交があったマイケル・スタイプは
「Let Me In」という曲をカートに宛てて書き下ろしています。

カートが自宅部屋で自殺を計った時、ステレオから流れていたのが
R.E.M.の『オートマティック・フォー・ザ・ピープル』(1992年)だったそうです。
それほどカートはR.E.M.(=マイケル・スタイプ)に憧れていたのです。

先に書いたU2とRADIOHEADにまつわるエピソードもあります。

RADIOHEADが全米で大成功を収め、大規模なツアーを敢行するまでになった時。

その環境にどう対処していけば良いのか悩んでいた
トム・ヨークのもとを訪れたマイケル・スタイプは
「君たちはU2になる必要は無い」、とアドヴァイスをしたと言われています。

いまだ第一線で活動を続けているU2やRADIOHEADの音楽を彼は今、
どのように聴いているんでしょね?

第13回 GEORGE MICHAEL『FAITH』

2017 年 12 月 30 日

●GEORGE MICHAEL:「FAITH」(1987年)

未だに彼の死が信じられないままでいるのは、私だけではないはずです。

遺作となった『シンフォニカ』(2014年)にも現われていましたが、
もし彼が存命でクラシカルな作品を歌い続けていたとしたら...

ロッド・スチュワートの「グレイト・アメリカン・ソングブック」シリーズのように
それはそれは素晴らしい「音楽作品歌集」をたくさん残したであろうな、と強く思います。

楽曲の制作能力の高さもさることながら、やはり彼の絶対的な
「ヴォーカル力の高さ」は同時代では他を寄せ付けませんでした。

アップ・チューンからバラードまで、
見事なバランスで歌いこなしていたヴォーカリストとしての表現力は、
スティーヴィー・ワンダーの「アズ」、
ボニー・レイットの「アイ・キャント・メイク・ユー・ラヴ・ミー」の
2曲のカヴァーだけをとってみても明白です。

そしてオリジナル楽曲作品群の圧倒的なクオリティも。

番組でご紹介した1stソロ『FAITH』ももちろん名盤ですが、
yadge的には2ndアルバム
『LISTEN WITHOUT PREJUDICE Vol.1』(1990年)こそが彼の最高傑作であり、
かつ「大英帝国産ポピュラー・ミュージックの最高峰アルバム」だと信じて止みません。

この2ndアルバムは彼が27歳のときに発表されたアルバムです。

ブックレットの中で彼は、
彼自身が尊敬する偉大なアーティストの名前を引き合いに出しながら、
「ようやく自分もその域にたどり着けた」というニュアンスのコメントを残しています。

『FAITH』に比べると多少地味な印象を受ける作風の楽曲が多いかもしれませんが、
各々の楽曲の味わい深さはそれまでの彼の作品よりもあきらかに深いです。
これは断言します!

シンプル極まりない音像と楽曲構成なのに、これまで聴いたことのなかった彼の
「新たなオリジナリティ」に満ち溢れている奇跡的な楽曲群に脱帽します。

yadge生涯のBEST ALBUM TOP5に入るくらいの、愛聴盤です。

デラックス・エディションが昨年秋にリリースされていますので
未聴のかたは是非、是非、お聴きになってみてください♪



●THE FAMOUS ARTIST:TRACEY ULLMAN

決して「歌手」が本業では無い方なのですが、
番組でお聴き頂いた「They Don't Know」を始め彼女の歌唱には、
古き良き時代の”オールディーズ・ポップス”を聴いているかのような
エヴァーグリーンな魅力があります。

女優、コメディエンヌという「本業」で培った表現力が
巧く歌唱にも表れているんでしょうね!

それにしても、この「They Don't Know」の楽曲の素晴らしさたるや。

改めてオリジナルであるカースティー・マッコールの才能にも感謝したいですね。

そのカースティー・マッコール関連作品でもう1曲、
洋楽ファンには忘れがたい名曲があります。

当時の旦那さんであるスティーヴ・リリーホワイトがプロデュースした
ザ・ポーグスのアルバム『堕ちた天使(邦題)』(1988年)収録の
「Fairytale Of New York」(邦題:ニューヨークの夢)です。

この曲でカースティーはポーグスのヴォーカル:
シェイン・マガウアンとデュエットしています。
The Pogues Featuring Kirsty MacColl - Fairytale Of New York (Official Video)

この曲はいまや「クリスマス・ソングの裏定番」的な曲として、
長く音楽ファンの間で愛聴され続けています。

残念ながらカースティー・マッコールは2000年の12月18日、
皮肉にも「クリスマス直前」にボート事故により41歳の若さでこの世を去りました。

12月25日に亡くなったジョージ・マイケルといい、
洋楽ファンにとっては「ラスト・クリスマス」と「ニューヨークの夢」の
2曲を聴くクリスマス・シーズンは同時に2人の死を悲しむ時期となりましたが、
いずれもポップス史に残る素晴らしいクリスマス・ソングであることに変わりは有りません。

第12回 WHAM!『Make It Big』

2017 年 12 月 23 日

●WHAM!:『Make It Big』(1984年)

ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリー。

二人ともイケメンで親しみやすく明るいキャラクターで、
日本でもアッという間に人気者になりました。

同時代のデュラン・デュラン、カルチャー・クラブとともにイギリス本国はもちろんのこと
「アメリカ進出~大成功」というサクセス・ストーリーを短期間に成し得ました。

当時はまだジョージ・マイケルの「真の才能」に気がつかないまま、
わたしもある種アイドル的な要素の部分だけでファンになり、
ヒット曲の数々を他のアーティストと同じ感覚で聴くに留まっていました。

ところがところが。。。

彼の「ポップ・ミュージック」における
天才的な楽曲制作力、アレンジ力、プロデュース力の全てが、
同時代の人気アイドル的アーティストの中でも桁外れに優れていたことが、
ワム!解散後のソロ活動ですぐさまあらわになりました。
※詳しくは次週の『Faith』の特集放送終了後に書き改めます。

このアルバムで彼の高い楽曲制作力を強く感じるのが
「Everything She Wants」(邦題:恋のかけひき)です。

音数が少ないバック・トラックに乗せて特に派手な展開をするでも無く、
たんたんと進む楽曲なのですが
彼の圧倒的な歌唱力と巧妙に練られたアレンジで1曲聴かせてしまいます♪

それともう1曲、「POP SONGの教科書」のように完璧な「Heartbeat」。

こちらは“超王道”のポップ・チューンで
60年代の古き良きポップス全盛期時代を思わせる
スタンダード・ナンバーを見事に“再演”しているかのようです。

この2曲を聴くためだけに『Make It Big』を持っていても損はないと思います。



●THE FAMOUS ARTIST:JOE COCKER

以前の放送でご紹介したTOM WAITSと同様にこの方も、
その「こわもて」なルックスと「しゃがれ声」が災いしているのか
一部の音楽ファン以外にはあまり知られていない気がします。

同性の目から見ればいわゆる典型的に
「男くさい」「無骨な」イメージに憧れる部分もありますが、
女性目線ですと彼やTOM WAITSはどのように映るんでしょうね?
2人ともただの「怖くて暑苦しいオヤジ」なのでしょうか??(笑)

しかしながら番組でご紹介した「You Are So Beautiful」や、
大ヒットした映画主題歌「愛と青春の旅立ち」(邦題)は、
そんな彼自身が持っている人間性や声の特徴があったからこそ、
他に類を見ない素晴らしいバラード・ソングになっていると思います。
(これはTOM WAITSが歌うバラードがそうであるのと同じく!)

正にWHAM!のジョージ・マイケルとは“全くタイプが違うアーティスト”だと言えますね。

先のTOM WAITSの項でも書きましたが、
すこしだけ勇気を持って是非彼の歌声にも触れてみて下さい♪

第11回 CYNDI LAUPER『She’s So Unusual』

2017 年 12 月 16 日

●CYNDI LAUPER『She’s So Unusual』(1983年)

yadgeにとって「最も好きな80年代女性アーティストBEST3」を担う大切なお一人です。
(あとのお二人は、、、まだ内緒にしておきます!いずれ番組でお話しするかと思います)

番組では1stアルバムをご紹介しましたが、
続く2ndアルバム『トゥルー・カラーズ』(1986年)、
3rdアルバム『ア・ナイト・トゥ・リメンバー』(1989年)も素晴らしい名盤です♪

とりわけ私は3rdアルバム『ア・ナイト・トゥ・リメンバー』を一番愛聴しています。

1stアルバムのようなきらびやかなヒット・シングルは収められていませんが、
彼女のアーティストとしての資質を見事に露呈している
強力な楽曲群がいくつも収められているのです!
https://cyndilauper.com/releases#/release/13383

まずは「涙のオールナイト・ドライヴ(邦題)」(原題「I Drove All Night」)。
元々はロイ・オービソンの為に書かれた楽曲で後に彼のアルバムにも収録されましたが、
この曲が一番似つかわしいのはやはりシンディではないでしょうか。

さらにセリーヌ・ディオンによる強力なカヴァーも生みました。
(※超ハイ・キーなシンディが裏声で歌う箇所を
恐ろしいことにセリーヌは「地声のまま」で歌ってます!!)

続いて「アンコンディショナル・ラヴ」。
こちらも後にスザンヌ・ホフス(バングルス)や
日本でも椎名林檎さんによる秀逸なカヴァーを生みました。

そして極めつけが「ヘディング・ウエスト」。
歌詞カードで歌われている詩の内容も是非チェックして頂きたい、
涙無しでは聴けないバラードの大名曲です♪

※因みにこのアルバムでドラムを務めているのは
故トム・ペティのバック・バンド「ザ・ハートブレイカーズ」のドラマーの
スティーヴ・フェローンであることも付け加えておきます。←ココ、大事です!

同時代にブレイクを果たしたマドンナと一時期はライバルとして語られていましたが、
根本的に「アーティストとしての生き方」や「音楽との関わり方」
あるいは「表現方法」が全く違うタイプの2人だと思います。

今でもこの2人が歩みを止めることなく、実に30年以上にも渡って
各々の音楽キャリアを継続していることはそれだけでも賞賛に値しますよね!



●THE FAMOUS ARTIST:DAN FOGELBERG

先ごろリリースされた彼のトリビュート・アルバム以前にも、
今年は1979年に「カーネギーホール」で行われたライヴ音源もリリースされています。
https://www.danfogelberg.com/news-blog/live-at-carnegie-hall

死後から10年目にあたる2017年に、
こうして再び彼が遺してきた音楽功績が続々と世に出ることからも
彼の音楽は後世まで語り継がれる素晴らしい作品群であることがわかりますね。

番組でご紹介した「ロンガー」がきっかけで私は初めてその曲が収録されている
アルバム『フェニックス』(1979年)を買い、彼の音楽に触れました。
クレジットを見てみると、ドラムとベース以外のパート
(ギター、鍵盤楽器全般、バックコーラス)のほとんどを彼は一人でこなし
“マルチ・ミュージシャン”振りを発揮していた事に驚きました。

これまで番組ではイーグルス、フリートウッド・マック、
ドゥービー・ブラザーズといった70年代に最も成熟期を迎えたアメリカの
良質なるポピュラー・ミュージックの一端をご紹介して来ましたが、
このダン・フォーゲルバーグもそのシーンに属する存在だったと言えます。
56歳という若さでの他界が本当に残念ですが、
今年リリースされた2枚のアルバムを早く入手して彼への追悼の念を改めたいと思います。

第10回 MICHAEL JAKSON『Thriller』

2017 年 12 月 09 日

●MICHAEL JAKSON『Thriller』(1982年)

恐らく今後このアルバムのセールス記録(全世界で現在までに6,600万枚)を
超える作品は現れないでしょうね。

売れるべくして作られた鉄壁のソングライター陣、演奏陣、
そして見事なプロデュース・ワークを施したクインシー・ジョーンズ。
そして何よりも“マイケル・ジャクソン”という才能の塊が大開花したこと。
あらゆる要素が奇跡的に集結した末の正に「時代が生んだ1枚」といえるアルバムでした。

このアルバムの大成功により、後の「U.S.A. for AFRICA」と題された
チャリティ・プロジェクトによる「We Are The World」(1985年)では
クインシー・ジョーンズがプロデューサー(指揮)を務め、
マイケル・ジャクソンはライオネル・リッチーとともに楽曲を共作し
参加アーティスト全45名の中でも別格扱いの歌唱パートを担う役目も果たしました。

この時点で2人はポピュラー音楽界において
「最も影響力のあるプロデューサーとアーティスト」の
コンビであったことを証明するエピソードです。

1990年代以降のマイケル・ジャクソンは、
様々なスキャンダルや奇行の数々ばかりが目立つようになり
以前のようなアーティスト活動が思うように出来ない事態に陥ってしまいます。
セールス面でもこの『スリラー』と次作『BAD』(1987年)をピークに
少しずつ苦戦を強いられるようにもなりました。

それでも他のアーティストが何人束になっても成し得なかった
偉業の数々を彼はいくつも成し得ました。

と同時に彼の破格の大成功が以後の黒人アーティストにとっての大いなる指針となり、
音楽界の人種の壁を無くすことにも大いに貢献したと言えます。

晩年はアルバム・リリース活動からは遠のいていながらも
“最後のライヴ”と宣言して50公演ものスケジュールを発表した
『THIS IS IT』(会場:ロンドンO2アリーナにて)に向けて、
入念なリハーサルを死の直前まで行っていました。

もしこの公演が実現していたら、間違いなく
「新たなる伝説」を残していたに違いありません。

この時の公演にギタリストとして抜擢されていたオリアンティは一躍有名になり、
後にソロ・アーティストとしてデビュー。
今ではBON JOVIを脱退したギタリスト:リッチー・サンボラと
恋仲になるまでに至りました。
この2人はマイケル・ジャクソンには一生足を向けて寝れませんね。



●THE FAMOUS ARTIST:TOM WAITS

番組でもお話した通り、彼の楽曲カヴァー群は当人歌唱の原曲よりも有名、
かつヒットしているという現象をいくつも起こしています。
また彼のアルバムはセールス面やチャート面では
大きく取り上げられる機会は少ないですが、
一方で権威あるアメリカの音楽誌「ローリング・ストーン」誌が
2003年に選出した『オールタイム・グレイテスト・アルバム500』では、
名だたる名盤や大ヒット・アルバムに混じって3枚もの作品がランク・インしています。
(『土曜日の夜』/1974年作、『レイン・ドッグ』/1985年作、
『ミュール・ヴァリエイションズ』/1999年作)

このような現象からも、彼がいかに優れたソングライターであり
ロック・シーンに大きな影響を与え続けている人物であるかが見て取れます。

“こわもて”の風ぼうと“しゃがれ声”のせいか、
誰にでも好きになれるタイプのアーティストではないかもしれませんが、
だからこそ一度好きになったら離れられなくなるアーティストでもあります。
すこしだけ勇気を持って(笑)、彼の歌声に触れてみて下さい♪