そうだ、弁護士さんに聞いてみよう

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毎週火曜日8:35~



福岡県弁護士会は「市民と共に」という目標をかかげ、福岡県内19か所に法律相談センターを開設しています。悩み事があればなんでも気軽に弁護士さんに相談してみましょう。

法律相談センター 0570-783-552 (ナヤミココニ)

第4回:2012年8月28日放送分 テーマ「多重債務」

ご出演:池田耕一郎法律事務所 池田耕一郎先生

Q:今週は事業をしている人に向けたお話しで、自分で事業をしていると、家のお金と事業用のお金が混同してしまう場合も多いようですね。
A:福岡県弁護士会では中小企業の経営者の皆さんの相談も受けているが、事業をしている人の場合、屋号で借りたお金と経営者が個人名義で借りているお金を区別して考えている人が多い。本来、借りている人は同じなので、返済も同じように計画を立てて行かないといけないが、事業用の借金と個人で借りている借金を別のものと考えている人が多い。

Q:弁護士さんに相談するときも、そのあたりがごっちゃになったままの人が結構いらっしゃるとか。
A:商工会や弁護士に相談する際、消費者金融など個人名義での借金のことを言わない人が多い。しかし、一緒に合わせて計画を立てて行かないといけない。最初に話しを聞いたときと比べ、1.5倍くらいになることも多い。 

Q:隠していると、後になって困ってしまうのでは? 
A:債権者に関しては、皆さん平等に交渉する必要があり、手続き自体が混乱する。

Q:自分で事業を営む方からの相談や依頼はどういうものが多いのですか?
A:現在返済している金額を減らし、期間を長くするなど「リスケジュール」に関する相談が多い。

Q:他にはどんな相談が多いのでしょう?
A:連帯保証人に関する相談。例えば、事業をしている人は奥さんやお子さんに連帯保証人になってもらうことが多いが、返済できなくなると、保証人に借金の請求がいくので、シビアな問題であるといえる。

Q:保証人に迷惑をかけないようにどうにかできないのでしょうか?
A:連帯保証人というのは、借金をした本人と同じ責任を負うこと。
事業をしている人が、誰かに連帯保証人になってもらうということは、借金の責任を自動的にその人にも追わせてしまうし、連帯保証人となった人からみれば、保証人となった時点で逃れようのない支払いの義務が生る。連帯保証という意味を本当によく考えて欲しい。人から頼まれると承諾してしまうことが多いと思うが、お金が絡むとその人間関係も悪化してしまいがちなので、そういうことを慎重に考えて契約してほしい。

第3回:2012年8月21日放送分 テーマ「多重債務」

ご出演:池田耕一郎法律事務所 池田耕一郎先生

Q:多重債務というのは、金額の多寡の問題ではなく、どこかからお金を借りてきて、別の借金の返済に充てる状態のことを多重債務という、ということでしたね。
A:借金を自分の収入から返せなくなり、ほかから借りたお金で借金の返済をする状態を多重債務という。

Q:多重債務の整理についての具体例を紹介してください。
A:例えば、銀行や消費者金融から借りられているうちは良かったが、次第に金額や件数が増えてしまい、いわゆるヤミ金融から借りてしまう人もいる。なかにはヤミ金100社から借金していた人もいた。

Q:実際に多重債務の問題の解決法を教えてください。
A:「自己破産」「任意整理」「民事再生」「特定調停」と4つの方法がある。

Q:それぞれどういう特徴があるのでしょう?
A:「自己破産」は裁判所に申し立てをして、一旦、自分の持っいる資産を精算して、債権者に払うものがあれば払う。個人の場合、免責と言う手続きがあり、それを裁判所に認めてもらえば、借金は返さなくて良くなる。

Q:一定の財産は失うんですね?
A:すべての財産を失うと思い、相談を躊躇する人もいるが、生活に必要なもの、例えば車などは手元に残せるので、まずは弁護士に相談してみないとわからない。

Q:「任意整理」の特徴は?
A:「任意整理」というのは裁判所を使わずに、弁護士が債権者と協議して支払い方法、支払金額を合意する示談のようなもの。

Q:「民事再生」は?
A:「民事再生」は個人の場合、「個人再生」という言葉を使う。裁判所の審査を経て、全体の債権金額をカットして、その金額を3年とか5年かけて分割で払っていく。

Q:「特定調停」とは?
A:裁判所の調停委員のもとで債権者と協議して支払い方法などを合意するという手続き。

Q:例えば、住宅のローンを払いながら、それ以外の借金をすこしずつ払っていくこともできるのでしょうか?
A:「破産」の手続きの場合、家がある場合、家の処分を考えないといけないが、「個人再生」という手続きをすることにより、住宅ローンを払いながら、ほかの債権をカットしてそれを分割して払っていくこともできる。

Q:実際に、マンションを買ったけど、収入が減ったり、思うように収入が増えずに返済が苦しくなってしまうというケースもあるようですね?
A:賃貸マンションの家賃と同じくらいの金額だからとマンションを購入する人も多いと思うが、購入前にはきちんとした計画を練ってから購入したほうがいいと思われる。

第2回:2012年8月14日放送分 テーマ:多重債務

ご出演:池田耕一郎法律事務所 池田耕一郎先生

Q:多重債務とはどのような状態のことをいうのでしょう?
A:お金を借りること自体は多重債務とはいわない。
収入から返済できなくなって、よそから借金して、その借金したお金で借金の返済をする。こういう状態を多重債務という。

Q:ただ、ブラックリストに載ったりするのを恐れ、相談をためらってしまう人も多いのでは?
A:実際は何か所から借金し、返済が滞っている状態の場合、ブラックリストに載っているのと大差ないので、そこを気にして弁護士に相談しないという選択肢は無いのではないか。

Q:でも、何とかなるうちは何とか頑張ろうと思っている人も多いのでは?
A:借金をほかから借金して返済している時点で、生活が成り立っていないのではないか。何らかの対策をたてないと、解決しない状態だと思われる。

Q:まずは相談が大事ということなんですね。
A:相談してみると、気持ちに安らぎが生まれる。弁護士に相談すると、生活を基本にした計画を立てられる。

Q:実際にいま、多重債務のことなどで相談する人は多いんでしょうか?
A:ここ数年、非常に多くなっている。友人、知人の連帯保証人になって、その友人、知人がいなくなったのでどうしたらいいか?といったケースのほか、過払い金の相談も多い。

Q:過払い金の支払いなどで、貸し手側の経営状態もずいぶんと変わったようですね?
A:過払い金を支払うお金が無くなって、貸し手側が破たんした例もある。

Q:じゃぁ、相談するなら早いほうがいいですよね?
A:過払い金の問題はお金を回収するということに目が行きがちだが、その相談をしつつ、生活の再建についても弁護士と一緒に考えるということが大切なのではないか。

Q:相談する際、どんなものを準備しておくといいのでしょう?
A:どういうところにどれくらいのお金を借りているか、いつ頃から借りているかの一覧表があると効率が良い。

第1回:2012年8月7日放送分 テーマ:多重債務

ご出演:池田耕一郎法律事務所 池田耕一郎弁護士

Q多重債務とか借金、実は身近な問題?
Aクルマのローンや家のローン、クレジットカードも借金の一種なので、
ほとんどの方が何らかの借金があると考えられる。

Q借金が返せなくなってしまった場合、どのようなことになるのでしょう?
A借金が返せなくなる前に、弁護士に相談を。
もし、借金を返せなくなって、裁判を起こされ、判決が出ると、給料を差し押さえられ、
生活していけなくなることもある。

Q裁判などになる前に、弁護士さんに相談することが大切。
A借金で首が回らなくなる前に弁護士に相談し、生活を立て直してほしい。

Q弁護士の先生に相談するのをためらってしまう人も多そうですが。
A依頼するかどうか決める前にまずは相談してほしい。

Q相談だけの場合、費用はどうなるのでしょう?
A福岡県弁護士会が運営する法律相談センターなら借金に関する相談は無料でできる。

Q実際に依頼するとなった場合の費用について。
A着手金と報酬金にはそれぞれに基準があり、弁護士と相談して委任契約を結ぶので、
想像以上に高くなることはないと思われる。

Q着手金の金額の目安は?
A例えば任意整理の場合、債権者一社あたり3万1500円。 詳しくは相談を。

Q報酬金の目安は?
A福岡県弁護士会所属の弁護士の場合、必要ない。

Qこれはどの先生に頼んでも同じと考えて宜しいのでしょうか?
A福岡県弁護士会の法律相談センターを通して依頼を受けた場合は同じとなる。

Qそれ以外の場合は違う基準がありますか?
A報酬基準を各弁護士事務所に備えているので、それぞれの事務所でそれぞれの基
準がある。