そうだ、弁護士さんに聞いてみよう

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毎週火曜日8:35~



福岡県弁護士会は「市民と共に」という目標をかかげ、福岡県内19か所に法律相談センターを開設しています。悩み事があればなんでも気軽に弁護士さんに相談してみましょう。

法律相談センター 0570-783-552 (ナヤミココニ)

第25回:2013年1月29日放送分 テーマ「多重債務問題」

ご出演:黒木聖士法律事務所 熊谷靖夫先生

Q:今日は実際に多重債務の問題を解決する方法を教えてください。
A:弁護士が多重債務問題を解決するためによく使う方法として、「自己破産」「任意整理」「民事再生」と3つの方法がある。

Q:それぞれどういう特徴があるのでしょう?
A:「自己破産」は裁判所に申し立てをして、一旦、自分の持っている資産を精算して、債権者に払うものがあれば払う。個人の場合、免責と言う手続きがあり、それを裁判所に認めてもらえば、借金は返さなくて良くなる。ただし、税金など免責にならないものも一部ある。

Q:自己破産をした場合、クルマや家などの財産はどうなるのでしょう?
A:すべての財産を失うと思い、相談を躊躇する人もいると思いますが、生活に必要なものは失いません。持ち家は失うケースが多いが、車などは手元に残せるケースもあるので、まずは弁護士に相談してください。

Q:「民事再生」はいかがですか?
A:「民事再生」は個人の場合、「小規模個人再生」「給与所得者等再生」といったいわゆる個人再生手続きを行うことが多い。裁判所の審査を経て、一定程度債権金額をカットして、その金額を3年とかで分割で払っていく。

Q:例えば、住宅のローンを払いながら、それ以外の借金をすこしずつ払っていくこともできるのでしょうか?
A:「破産」の手続きの場合、家がある場合、家の処分を考えないといけないが、「個人再生」という手続きをすることにより、住宅ローンを払いながら、ほかの債権をカットしてそれを分割して払っていくこともできる。

Q:実際に、マンションを買ったけど、収入が減ったり、思うように収入が増えずに返済が苦しくなってしまうというケースもあるようですね?
A:貸マンションの家賃と同じくらいの金額だからとマンションを購入する人も多いと思うが、将来の収入状況や金利、不意の出費対策などについても十分配慮した計画を練ってから購入したほうがいいと思われる。

Q:「任意整理」とはどういうものなんでしょう?
A:「任意整理」というのは裁判所を使わずに、弁護士が債権者と協議して支払い方法、支払金額を取り決めるもの。なんとか借金が返せそうなときに用います。私は概ね3年の分割払いで返済できるかどうかが、一つの基準と考えている。

第24回:2013年1月22日放送分 テーマ「借金問題」

ご出演:黒木聖士法律事務所 熊谷靖夫先生

Q:多重債務にまつわる相談、具体的にどのようなケースがあったのか、差し支えのない範囲で教えて頂けますか?
A:不景気で収入が減ったら、それに合わせて生活の質を落となければならないが、収入が良いときの生活が身についてしまって、その生活を続け、足りない分は借り入れで賄っているうちに多重債務に陥ってしまうケースもある。

Q:いったん多重債務に陥ってしまうと、生活を立て直すのは並大抵のことではありませんよね?
A:通常、利息は元金にしかかかりませんが、借金を借金で返すようになると、元金に加え、利息分をあらたに元金として借り入れることになるので、元金だけでなく利息分にも利息がかかるようになってしまう。こうなってくると、借金は雪だるま式に膨れ上がっていきます。このような状況で生活を立て直すのは並大抵のことではないと言えます。

Q:生活も苦しくなってしまいますよね?
A:携帯電話の料金が払えなくなって電話が止まってしまったり、家賃や水道光熱費も滞りが生じて立ち退きを求められたり、電気・水道・ガスが止まってしまうことさえある。

Q:お金の問題というのはごまかしがきかないだけに、多重債務に陥っている方はご苦労が多そうですよね?
A:業者がお金を貸してくれる間は、借金を借金で返すことができるでしょうが、それができなくなると、知人・友人にお金を借りまくって友達を失うケース。クレジットカードで買い物をして、それをほとんど使わないうちに売って、それを返済に充てるケースなどいろいろあります。

Q:借金を苦にして自ら命を落としてしまう悲しい事件も決して少なくないようですね。
A:お金に関する問題はストレスが非常に強い。相談を受けていると、ココロのバランスを崩してしまっていると思われる人も見受けられます。

Q:ひとりでくよくよ悩むのではなく、とにかく相談してほしいですね。
A:ご自分が借金で苦しんでいる方はもちろん、家族など身の回りの方も一足も早く、弁護士の先生に相談して、解決に向かって行って欲しいですね。

第23回:2013年1月15日放送分 テーマ「借金問題」

ご出演:黒木聖士法律事務所 熊谷靖夫先生

Q:多重債務にまつわる相談は、本人だけじゃなく、家族でも相談できるということでしたよね?
A:実際に依頼するとなると、本人じゃないといけませんが、相談の場合は家族の方でも問題ありません。

Q:無料で相談することもできるということでしたよね?
A:福岡県弁護士会の19か所の法律相談事務所で、借金の相談を無料で受け付けている。

Q:今月のテーマは多重債務。多重債務とはどのような状態のことをいうのでしょう?
A:お金を借りること自体は多重債務とはいわない。自分の収入の範囲内から返済できなくなって、よそから借金して、その借金したお金で借金の返済をする。こういう状態が多重債務といえる。

Q:まわりからすると、かなり無理をしていると思われる状況でも、本人としたらまだ何とかなると思っている人も多いのではないでしょうか?
A:仮に収入の範囲内で借金を返せていても、自分の生活費が足りないとなると、ほかから借金をして生活費に充てることになります。
借金した月の分を翌月や翌々月に節約して埋め合わせる。ボーナス月で清算するなんていうことができれば「なんとかなる」うちになるでしょう。
しかし、生活費の足りない分を借金で埋め合わせている月が毎月あって、借金分を挽回できるチャンスが見当たらない状況では、もはや「生活は成り立っていない」といえるのではないでしょうか?

Q:まずは相談が大事ということなんですね。
A:弁護士に相談すると、まず、生活することを基本にした方針提案をしていきますので、相談してみると気持ちに安らぎが生まれると思います。

Q:相談する際、どんなものを準備しておくといいのでしょう?
A:どういうところにどれくらいのお金を借りているか、いつ頃から借りているか一覧にして持ってきてくれると相談がスムーズにいく。

Q:借金をすべて明らかにしてくれないと、何の解決にもならないというこですね?
A:隠れて借金を返すということになれば、弁護士が提案する生活計画に違いが出てくるので、隠さずすべてを話して頂きたい。

第22回:2013年1月8日放送分 テーマ「借金問題」

ご出演:黒木聖士法律事務所 熊谷靖夫先生

Q:多重債務や借金といいますと、自分には関係ないや・・・っていう人も多いと思うんですが、でも実は身近な問題とも言えるんですよね?
A:ネットショッピングやテレビショッピングを分割払いで購入する場合や、自動車や住宅のローンを組んだ場合、またクレジットカードも借金の一種なので、実は身近な問題といえます。

Q:借金や多重債務にまつわる相談というのは多いものなんですか?
A:福岡県弁護士会の法律相談センターに寄せられる相談のうち、4件に1件は借金や多重債務にまつわるものであり、件数は多い。このコーナーでも8月に池田耕一郎弁護士が一度お話ししていますが、改めておさらいしておきましょう。

Q:例えばクレジットカードなどを持っていますと、わりと気軽にキャッシングができるのですが、気軽とは言え、これも借金のひとつなんですよね?
A:キャッシングはもちろん借金です。キャッシングをするとき、ATMにおろしに行く、という感覚の人もいるかもしれませんが、貯金ではありませんので、おろしに行く、という感覚は間違っているといえるでしょう。

Q:多重債務も、弁護士の先生に相談するとなると、ためらってしまう人も多そうですが・・・
A:福岡県弁護士会が運営する法律相談センターなら借金に関する相談は無料でできるので、まずは気軽に相談してください。

Q:実際に弁護士の先生に依頼するとなった場合の費用の目安を教えてください。
A:例えば任意整理の場合、福岡地区で相談した場合の着手金は基本、債権者一社あたり3万1500円です。債権者の数、相談される地域や弁護士によって着手金が異なることがあるので、詳しくは担当の弁護士に確認してください。

Q:相談は本人がしないとダメなんでしょうか?例えば、うちの主人が結構な額の借金があるようなんだけ・・・という場合、奥さんなどがご相談することもできるのでしょうか?
A:実際に依頼を受けるとなると本人じゃないとダメですが、相談なら家族の方でも大丈夫。一人で悩まないで、是非、ご相談ください